日本 x 保育園 x 研究者
- Manabu
- 2017年9月15日
- 読了時間: 5分
研究者は将来が不安定だとはよく言いますが、ご多聞にもれず、僕もその一人です。
進化学会で最も多かった質問が、今どう言う状況なの?研究に復帰できるの?と言う質問だったので、今回は僕の現状について報告します。
1. 異例のポスドク公募選考
もともと博士号取得後はカリフォルニアの深海研究所MBARIでポスドクをしようと考えており、MBARIのポスドク公募に応募してました。その結果は、例年は3月頃に出てvisaが発行され次第渡米すると言う計画でした。(だから、多分9月頃からとか)
ところが、大統領選が波乱に終わった今年だけ、な・ぜ・か結果が6月後半に出ることに。。。
しかも、その場合、採用されたとしても2018年からしか勤務が開始できないらしい・・・
わお!
1年間無職じゃん!!
それが卒業直前の2月に発覚しました。
このとき、卒業・結婚式・引越し・妻の出産などが迫って来ていました。
そこで、僕が元いた部屋(名古屋大・分子機能モデリング)に、新しく筑波大から赴任された北将樹先生がやってくることを知り、「テクニシャンとして雇ってください!」とお願いしに行きました。
いきなりのお願いにも関わらず快諾していただき、とりあえず4月から名大で技術補佐員として働けることに。
ただし、それ用の予算があったわけでもないのでフルタイムで雇用されることはなく、税金事情も加味し、書類上はパートタイム的な扱いとし、妻の扶養に入ることに。
その後は、無事に学位取得、卒業、結婚式、引越し、出産を終えました。

ところで、妻はJSTのCREST研究員として雇用されているのですが、CREST研究員は産後2ヶ月(法律で決められている最低期間)したら復帰しないといけないらしい。育休は原則取れないんだって。その代わり経済的な支援は(ラボに)されるらしいけど。
なので、螢が生まれて2ヶ月したら保育園に預ける必要がありました。
そこでまた一悶着
2. 日本の保育園問題
8月から保育園に入園させるためには、区役所に申し込む必要があります。
保育園も限りがあるので、困ってる人を優先して選考が行われます。
なので、申請の際には「働いてるので、息子を預けられないと困るんですよー」と言うために就労証明書などを提出する必要があります。
妻は産休中とは言え、名古屋大と雇用関係にあるので、すんなり出ました。
ところが、僕はパートタイム勤務扱いで、8月から働けないなら就労証明書は出せない。と言われました。
区役所からは、就労証明が発行できないなら、保育園に通るかは保証できない。
と言う、「鶏が先か、卵が先か」
「保育園が先か、就労が先か・・・・いや、どちらも選べない!(まさかの反語!)」
そして、名古屋大はパートタイム勤務の職員は1年以上勤続経験がないと育休は取らせないらしいです。
学部生から9年間も(通)勤続してたのに・・・
学振で2年も働いてたのに・・・(学振特別研究員はどの団体とも雇用関係にない)
と言うことで、8月から無所属・無職になり、妻は職場復帰。
保育園は自宅・名古屋大付近の6箇所に希望を出していたが、結局、全部落ち・・・
でも、螢がどんどん可愛くなってるので、まあ、自宅で研究しててもいいかなと。配列解析はパソコンとインターネットがあればできるので。と考えていました。
3. 子育てしながらの研究は大変!
ところが、子育てはそんなに甘いものではなく・・・・
30分おきに泣き、お世話をしてるとあっという間に2時間経過。3時間ごとに授乳する必要があるので、次のミルクの準備をして解析の続き・・・
ゲリラ的に急に泣き始めるので、どこまで作業が進んでいたかを思い出すのにも時間がかかる。
思い出して、よし、ちょっと進めよう!!と思ったら、、
ほら
また泣き出した
となかなか大変でした。
ひどい時は、一日、日本語の本を10ページ読んで終わり・・・なんてことも。
そんな中、「希望には出していませんでしたが、やまさと保育園が0歳児を受け入れてくれるそうです。どうしますか?」
と区役所から連絡が!
送り迎えに片道30分かかるので、チェックしていなかったのですが、お願いしますと即答。
すぐに見学に。
調べるとシュタイナー教育という何やら聞きなれない怪しい響きの教育方針。
でもちゃんと調べたら、シュタイナーさんはまっとうなことを考えていたようで、実際に、保育園に見学に行っても、とても健全な印象でした。
ということで、今は保育園に通っています。
それでも、初めは慣らし保育期間というのがあり、慣れるまでは短い時間だけ預かりますね。ということらしい。
最初の1週間は1日1時間!ファミコンかよ!
9:30に家を出て10:30に預けて、11:30に迎えにいき、12時に帰宅という生活でした。
それでも2週目からは1日ごとに1時間ずつ保育時間がのび、4週目には6時間預かってくれるようになり。
帰宅してから、4時間くらいは仕事ができるようになりました。
4. 来年からアメリカに行きます!
時間軸が前後しますが、6月末にMBARIから採択通知を受け、7月に海外学振から面接候補になりましたと通知がきました。
給与や福利厚生などは圧倒的にMBARIの方が良いので、学振はお断りしました。(面接の交通費も出ないし)
保険にも加入させてくれるし。(学振は出ない!!)
また、ビザ的にもMBARI雇いの方が良いです。
MBARI雇用の場合は、就労ビザH-B1をとることになり、学振で行く場合はJ-1ビザになります。
Jビザは国際交流プログラム的な目的のビザで、これで渡米すると、プログラム終了後帰国すると、その後2年間はアメリカに再入国できなくなります。(免除制度weaverというのがありますが、それはそれで手続きに半年ほど掛かったりするらしい)
ということで、2018年の4月からアメリカに行ってきます。
妻と子供がどうなるかはまだわかりませんが、一緒に行こうという気持ちで今頑張っているところです。
とりあえずそれまでは、保育園に預けてる間だけ、自宅研究かな・・・
と思っていたら、また、何かイベントが発生しました。
それについてはまた後日書きます。