研究環境の違い
- Manabu
- 2018年7月20日
- 読了時間: 4分

MBARIに来て3ヶ月が経ったので、これまでの環境を比較してみようかと思います。
これまでの所属は、名古屋大学(国立大)、中部大学(私立大)、対して、MBARIは私立の研究所です。
この比較は日本とアメリカの研究機関一般に当てはまらないと思いますので、参考までに。
MBARIの研究機関としての特色はここでは省きます。詳しくはMBARIのwebsiteを見てください。
ここで言う研究環境は研究者に対する待遇のようなものです。
MBARIの良いところ
・みんなが使うものはあらかじめ用意してくれる。
例えば文房具やパソコン周辺機器、コーヒー・お茶などはみんな必要だから、全体の経費で常に在庫があるようにしている。
*日本の大学では、用途が研究に限定されないので、各自の負担。
・タイムフレック・在宅ワーク
データ解析など、家のパソコンでできる場合は、(研究所のサーバーに接続して計算させたり)わざわざ研究所にいかなくてもいい。これは子供が急に熱を出したりした場合にとてもありがたい。
・バンプール制度
乗合での車通勤。電車が発達していないことと高速道路が発達していることから、アメリカは車通勤がほとんど。そのせいで、通勤時間というか、平日の日中はほぼ渋滞。環境対策も兼ねて、主要な高速道路にはカープールレーンがあり、2人以上乗っている車両専用の車線があります。カープールレーンを使って、近所の人と乗り合いで通勤することで、ガソリン代の節約や、運転の負担の軽減、通勤時間を利用して論文を読んだり、仲間と雑談や研究の話、睡眠時間の補充などをすることができます。
・クレジットカード
MBARIクレジットカードをもらえます。試薬や研究に必要なものは全てこれで購入し、領収書を提出、ウェブで支払いの予算を選択することで、予算を執行できます。Amazonや、オークション、ホームデポとかでも使えます。また、出張時もこのカードで支払うことができます。
*日本では、例えばホームセンターとかで売っているものでも購入は難しいです。理由は研究以外にも使えるから、そのため、ほぼ同じものを試薬会社から2−10倍の価格で購入します。
*日本では、規定額が決まっており、全額出すわけでもないのに、交通手段を比較させ、最安価出ないルートを通る場合はその正当な理由を書かされる。(もちろん、規定限度額以降は自費)
・隔週で金曜日がお休み。
週平均が40時間の規定なのですが、月ー木は1日9時間の勤務時間にすることで、隔週で金曜日が休みになります。
通勤時間が1日分お得!
・サポートスタッフが手厚い
着任してすぐにオリエンテーションをしてくれたり、「この手続きをするには誰に聞いたらいいの?」という質問に答えてくれる専門の人がいる。保険や公用車、パソコン、予算、試薬の購入、廃棄、安全管理など、彼女が答えてくれるわけではないが、それを答えてくれる適切な人へ誘導してくれる。とても頼りになります。
他にも、セミナーで食べ物(スナックやフルーツ)が用意されていたり、夏は隔週で水曜日にBBQをしたり、月曜日にはクッキーブレイクがあったり、会議室からは海が見えたり、とたくさんありますが、この辺で。
逆に、日本の方が良かったなというところは、
・名古屋大学時代は、生物系(生命科学系)のセミナーが頻繁にあり、レベルも高かった。
MBARIは科学者が全体の3分の1しかおらず、その中(100人くらい)に、海洋学者、化学者、物理、数理、分類、地質、環境学そして生物学者がいる感じ。なので、環境保護や海洋学、工学(こっちでは工学EngeneerはScientistとは区別されている)系の話が多いです。
・高価な分析機器が使える。
MSや組織切片用ミクロトーム、共焦点、 NMRなど、高価な機器が徒歩圏内に集まっていたので、すぐに使えていた。MBARIも規模の割には、たくさん持っている方だが、名古屋大や中部大ほどではないかも。もちろんMBARIには他にはない船とROVがあるのだが。。。あと、こちらでも連帯している大学UCSCやバークレーまで行けばそういった機械を使うことができる。
MBARIに慣れてきて、全体としては、日本より研究に集中して
時間を使える印象です。
これが、アメリカの研究者が短い労働時間でも成果をじゃんじゃん出せている秘密なのかも?