top of page
  • 執筆者の写真Manabu

よさこい生態学セミナー 別枠ちゃん

更新日:2020年12月8日

満員御礼でオンラインセミナーをさせていただきました。

なんと、ホストの鈴木先生(高知大)が編集していただいたものをYouTubeにて公開してくださりました。


見逃した方にも、最近知った方にも見ていただければと思います。



拙い発表でしたが最後までお聞きくださった皆さんありがとうございました。耐えきれず途中退席された方、すみません、もっと精進します。場を和ませてくれた森井さん、奏子(嫁でーす)、チャットを盛り上げてくださった参加者の方、そして、このような機会を与えてくださった鈴木さん、ありがとうざいました。



改めて、自分が話しているのを見せられると恥ずかしいですね。始まりのあたりは緊張してますね。いやですねー。ホラーですねー。


さてさて、セミナーの中で、みなさんからたくさんのご質問をいただきました。すべてには答えられなかったので、ここで答えたいと思います。


「質問したのに、答えてくれなかったーよー、残念。」という方は、是非ここでご自身の質問を探してみてください。本ブログ記事の最後にあります。

 また、「今質問思いついた」とか「新しい質問があります」とかあれば、Twitter(@Parapriacanthus)やブログのコメントなどで聞いてくれれば、答えられるかもしれません。




本研究に使われたキンメモドキは三重県の志摩マリンランドと神奈川県の横浜・八景島シーパラダイスから提供していただきました。どちらの水族館も自粛期間を乗り越えて営業中とのことなので、是非、皆さん、キンメモドキを見に行ってください。

(発光の観察ができるScience Advances水槽の設置をお考えならば是非ご相談ください!)







質問と答え


Q 光るかどうかって、質的に定義されてるのでしょうか?それとも量的なのでしょうか?

A 質的かな。肉眼で光って見えたらと光ってるといっていいと思います。最近はカメラが発達していますが、30分以上暗所で慣らした人の目はまだまだ最新技術と同等に張り合えます。光分子増倍管のような超高感度測定器を使わないと検出できないような発光の場合は、発光してるとは言い難いかも。やっぱり、それが自分・同種他個体・異種のどれかに知覚されないと発光生物として定義するのに躊躇すると言うか、面白味がないですよね。



Q 聞き逃したかもしれないのですが、「ルシフェリン」は化学構造についた名前じゃなくて、発光基質という機能についた名前という理解でOKでしたっけ?

A そうです。構造が違っても、生物発光反応における光る基質であればルシフェリンと呼びます。なのでルミノールとかはルシフェリンではないです。


Q イサリビガマアンコウの発光が生存にメリットがあるなら、光らない個体群には発光器が保存されず、種分化が起きるのではないか?と思いました

A するどい視点ですね。深海ではウミホタル類を食べて光っているのかもしれないですね。イサリビガマアンコウは春ー夏にかけて浅瀬に上がってくるらしいので、そこではルシフェリンの供給源がないことと、主な捕食者がいないのかもしれませんね。集団遺伝学的な研究とかあるのかなあ。もし見つけたら教えてください。



Q モドキとありますが、キンメダイに似ているということでしょうか?

A 妻によると「由来・語源 キンメダイに似て別種の意味、とネットにありました。」とのことです。サイズはキンメダイに比べてかなり小ぶりですが。



Q 幽門垂は普通は何をする器官なんですか?唾液腺的なもの?

A 普通は消化・吸収する器官だそうです。消化酵素が分泌されまくるので、タンパク質などは溶けて無くなるはずなんですね。


Q 発光はずっと光っているのか、それとも明滅パターンあるんでしょうか?

A しっかり実験してないですが、上方からの光があれば光り続け、消えると発光も消える感じでした。蛍のような明滅パターンは見られなかったです。


Q 既出の話題でしたらすみません

浅瀬に生息するキンメモドキが発光器を持つ理由はあるのでしょうか?

サンゴ礁辺りに生息してるのではあまり意義がないのではと感じてしまうのですが……

A キンメモドキは昼は洞窟などに隠れており、夜になると海面へやってきてプランクトンなどを食べると言う生態を持つらしいです。なので、月明かりなどでできてしまう自分の影を消すために光っているのかと思います。


Q ウミホタルは捕食されるのを回避するために光るという説がありますが、キンメモドキの場合は光っているのを見つけたら逆に積極的に捕食するのでしょうか?

A 飼育してる時にウミホタルを与えると興奮してる感じはありました。でも、意外にも野外でとれたてのキンメモドキの胃袋の中には、ウミホタルはあまり見つかりません。なぜでしょうね。



Q 自分は人間なので肛門を光らせることの意義が見い出せないのですが、キンメモドキからするとどのような意味があるのですか?

A 魚では胸部も肛門も内臓の下に位置しています。キンメモドキは割と色素が薄く透明になったりもできるのですが、反射膜で包まれた内臓だけは透明にできないんです。なので、その下にある発光器で影を消していると思います。

 人間でも肛門が光ったら繁殖に有利に働くかもしれませんよ。



Q 発光器に取り込んだウミホタルルシフェラーゼを集める機構と,ウミホタルルシフェリンの貯蔵システムに興味があります.

この辺について別所さんは引き続き,キンメモドキの研究を進めておられるのですか?もしくは,どのような機構が考えられていますか?

A 僕もここに興味があり研究を続けています。

 ルシフェラーゼはタンパク質なので、胃や幽門垂、腸管を通過する過程で消化されてしまいそうなものですが、そうなっていないところを見ると、何か積極的な仕組みがあると考えています。

 ルシフェリンは、蛍光切片を見たところルシフェリンだけでなくルシフェリン類縁体として保存してるような気がします。化学的なアプローチも考えています。



Q 太字のアミノ酸はなに?

A 太字のアミノ酸はKとRでトリプシンと呼ばれる、前処理の際のプロテアーゼによって認識され切断される部位を示しています。説明が足りなかったですね。ご指摘ありがとうございます。


Q 酵素同定の際の「タンパク質精製」のステップについて、「目的のもの結合していると結構簡単に残ります」と言う感じにおっしゃっていましたが、もう少し詳しく教えてください。

A タンパク質の精製で大事なポイントは、目的タンパク質がカラムに結合することと、それを追跡できる(ルシフェラーゼなら発光活性を測定できる)ことが重要です。あとは、地道に最適な条件を探したり、何度も精製を重ねるとか言う泥臭い仕事です。



Q 質量分析のステップでは、リファレンスのペプチド配列として何を使われましたか?ご自身でオリジナルでRNA-seqにより取得?あるいは、公共データベースのみ?

A RNA-seqで構築したリファレンスに対して検索をかけた場合、スコアの低い物ばかりが取れてきて、うーんとなってました。何度か試したのですが、毎回、これだと言うあたりはなかったです。

 当然、キンメモドキのゲノムにコードされてると信じていたので、公共データベースに対して検索すると言う発想は当初はありませんでした。

 全然結果が出ないと悶々としていたある日、「NCBInrで検索してみなよ」と言う夢のお告げがあり、早速実行してみるたところ衝撃の結果が明らかになったのです。



Q 発光は常にしているのですか?

発光していないのに発光器を持っている魚はいますか?

A 光りたい時に光ります。発光サメはホルモンにより制御を受けているらしく、発光のオン/オフの切り替えは数十分単位です。他の発光魚に関してはほとんど神経制御で、秒単位の調節をしていると思います。

発光しないのに発光器を持っている魚は、長期間ウミホタルを与えられずに飼育されているキンメモドキとワシントン州で採られるイサリビガマアンコウくらいだと思います。



Q トガリウミホタルを食べてから最大どれくらいの時間発光が保てるものなのでしょうか?

A 3ヶ月飼育でまだ6割くらいのルシフェラーゼ活性を持っていたので、半年とか?すごいですよね。



Q 一度のウミホタルの摂取で得られるルシフェリンの効果は、どのくらいの期間続くのでしょうか。光りたい個体は、ウミホタルを食べ続けるのでしょうか。

A 一度に食べる量と光った量にもよると思います。野外で、摂餌の際に光り続けることを想像すると、ウミホタルを常に食べ続けてるのだと思います。

それにしても胃からウミホタルが見つからないのはなぜでしょう。もっと見つかっても良さそうなのに。


Q ルシフェリンとルシフェラーゼの両方が共進化(?)するのはなかなか簡単な道ではないような気がしますが、このたんぱく質、ペプチドは何から進化したのでしょう?また他の近縁種のホモログは(あるならば)どのような機能を持つのでしょうか。

A ルシフェリンの進化は難しそうな気がしますね。それに比べてルシフェラーゼは比較的簡単に進化するらしいです。ホタルルシフェラーゼの光らないホモログに3アミノ酸変異加えると、バックグラウンドに比べて1000倍明るく光るようになるそうです。ウミホタルのルシフェラーゼに相同性のあるタンパク質には、mucin(粘液の成分)やvon Villebrand factor(血液凝固に関与?)が出てきますが、発光とは関係なさそうですよね。



Q 解剖写真を見たときに、キンメモドキの胃袋が黒いのはなぜですか?ウミホタルが魚の腹腔内で発光することを隠すためでしょうか?

A キンメモドキの胃袋はピンクっぽいと思います。そういえば、光らない近縁種のハタンポは黒かったなあ。

 やっぱり、胃袋が光ってたら上位の捕食者に見つかってしまうので、不利になると思います。なので多くの魚の内臓はグアニンなどの反射組織で覆われています。

 


Q ウェスタンは何あたりで合わせてるのでしょうか?

A タンパク質濃度です。



Q 抗体の特異性はどう担保されているのだろうか(ウミホタル以外の生物のルシフェラーゼにはクロスしないことは確認されている?)

A ウミホタルおよびキンメモドキの他のタンパク質とはクロスしないのは確認してますが、他の例えばホタルルシフェラーゼとクロスしないかは確認してないです。

 他の種のルシフェラーゼとはアミノ酸配列がほとんど違うので、反応しないと思います。


Q 餌となるトガルウミホタルはおなじ所にすんでるの?

A トガリウミホタルの地理的な分布は(おそらく)知られてないですが、トガリウミホタルは表層にいて、キンメモドキは夜に洞窟から出てきて表層プランクトンを食べると言われています。



Q 餌を食べて光るなら、こういう例が他にもあれば、収斂進化が50回起こったという推測も減るのかな?

A 盗タンパク質による発光の収斂進化と考えられるので、その場合むしろ回数は増えるかもしれないですね。ルシフェラーゼの独立な進化の回数で言うと少なくなります。その場合、共生バクテリアによる発光の進化(独立に共生を開始した回数)も減るので、魚(約17回)やイカでだいぶ数が減るかもしれないですね。



Q 発光器官には、別の他生物由来のタンパク質も多く存在しているのでしょうか?つまり、ルシフェラーゼをどの程度の精度で選り分けているのでしょうか?

A 続報をお待ちください。応援よろしくお願いします。


Q トガリウミホタルとウミホタルを一緒に餌を与えると、トガリウミホタルを好んで食べるの?

A どうでしょう。ウミホタルはすぐに沈んでしまうので、海ではキンメモドキに食べられるチャンスは稀だと思います。


Q たまたまトガリウミホタルとキンメモドキの住んで居る場所が同じだからこういう結果となったの?

A そうだと思います。オーストラリアや大西洋にもキンメモドキの仲間がいるので、そこでは、そこのウミホタル類を食べているのだと思います。

 なので、ウミホタルが絶滅したらキンメモドキは発光魚ではなくなってしまいますね。


Q タンパクではなく、DNAを”盗んでる”(発光器とは遠いところでDNAを盗んでタンパク合成してるからPCRやRNAに引っかかってこない)という可能性は無いでしょうか?

素人考えですが(完全に素人考えです)、DNAの方が消化管の中でも安定してるようなイメージがあります。

理想を言うと、シグナルの(不在ではなく)検出をもって仮説を支持できたらと思いました。例えば、「ウミホタルに同位体を使ったルシフェラーゼを作らせて、それを魚に食べさせる(と、理想的には魚の発光器に同位体が検出される)」というような実験は可能ですか?

A なるほど。その視点はなかったです。

 DNAはタンパク質に比べて(しかもイントロンを含んでいればなお)超絶巨大な分子です。なので、それが転写・翻訳される場へと細胞膜を超えて移動しているのであればおもしろいですね。

同位体の実験は、ありですね。

タグを付加したルシフェラーゼを発現させて、光らない乾燥餌に染み込ませて与えると言う実験をやったのですが、なかなかうまくいきませんでした。

食いつきがそんなに良くないので、食べられるまでに海水へ溶けて行ってしまったり、単純に量が足りなかったり、他にも失敗の原因はいくつも考えられますが。

ウミホタル・トガリウミホタル・キンメモドキ、どれも捕獲・飼育が難しいので、結構大変なんです。


Q Food webが突然出てきた理由が、どうそれまでの話とつながるのかがわからなかったです。

A わかりずらくてすみませんでした。 

 食う食われるの関係が、海だと鎖のような直線状ではなく、網目のように複雑です。なので、捕食ー被捕食の関係と盗タンパク質を頭のすみに置いて研究することで、研究対象だけを見てるだけではわからないことが見えてくるかもしれない。と言うことを伝えたかったです。また、多様性の維持が、生物の形質の発現に重要なことも言いたかったのでした。


Q 食餌した全ての魚が発光するわけではないと思います。これを可能にするのは発光器があるからだけではなく、タンパク質を特異的に分解させないことも必要かと思いますが、盗むために必要な具体的な能力は解明されているのですか?

A 続報をお待ちください。応援よろしくお願いします。



Q 餌から盗んだタンパクが消化されてしまわないのはなぜでしょうか?

A 1年経つと消化されてほぼなくなってしまうと思います。短い期間の話では、これは不思議ですよね。

続報をお待ちください。応援よろしくお願いします。


Q 聞き逃したかもですが、食べて、取り込まれるメカニズムは分かっていますか?ほかの盗む種の例でも。

A 続報をお待ちください。応援よろしくお願いします。

 ウミウシの人たちも多分頑張っていると思いますが、まだちゃんとわかってないんじゃないかなあ。と思います。


A ウミホタルのルシフェラーゼはどこから来たのでしょうか?そのルシフェラーゼ遺伝子のオーソログは他の甲殻類にも遺伝子として保持されているのですか?

Q ミジンコ(光らない)にもホモログはありましたけど、もちろん光らないと思います。アメリカのグループがウミホタルのルシフェラーゼの研究を今頑張っているので、近いうちにわかるかもしれないですね。


Q そういえばルシフェラーゼは細胞内にあるの?

A はい。バッチリ、細胞質にあります。


Q キンメモドキと近縁なグル―プで発光しない分類群にもキンメモドキの発光器官と似たような器官を持っているのでしょうか? 前適応的形質が重要であれば、それらもウミホタ

ルを食べさせれば光る?

A 知る限りではないですね。複合適応形質の進化は面白いですよね。


Q 光らないイサリビ個体群にルシフェラーゼを注射すると光るようになる...とあったとおもいますが,これは消化管への注射でしょうか

A injected intraperitoneally と書いてたので、体腔内ですね。消化管ではなさそうですね。詳しくは、Tsuji, F. I., Nafpaktitis, B. G., Goto, T., Cormier, M. J., Wampler, J. E., & Anderson, J. M. (1975). Spectral characteristics of the bioluminescence induced in the marine fish, Porichthys notatus, by Cypridina (ostracod) luciferin. Molecular and cellular biochemistry, 9(1), 3-8.


Q 中部大学から1/9にプレスリリースを拝見した際、キンメモドキはウミホタルのルシフェリンとルシフェラーゼを獲得する際、ルシフェリンが全て消費されないように別々の器官に貯蔵するとのこと。この2つのタンパク質の対は特異性のあるものだと考えられますが、どうやって消化管をすり抜けていくのと考えられますか?

A プレスリリースを読んでいただきありがとうございます。ルシフェリンはタンパク質ではないですね。

 どちらも選択的にそれぞれの貯蔵器官(vargulinは幽門垂と腸管、ルシフェラーゼは発光器)に取り込まれていくと思います。なので、それ専用のトランスポーターとか受容体があると妄想してます。詳しくはこれから調べます。応援よろしくお願いします。



Q 発光機構を産業や社会に応用することは何か考えられますか?(イメージング以外で)

A 光らせたいものならなんでも応用できるんじゃないんでしょうか。

 ウミホタルの発光ではないですが、深海エビのルシフェラーゼとルシフェリンを使って光る水鉄砲が売られています。これで遊びたいです。


Q キンメモドキは、は何を食べているのでしょうか。

A 胃の内容物はほとんどエビとか光からなさそうな甲殻類がメインでした。貝形類っぽいのは10匹のキンメモドキに10匹程度。そのうち光りそうなのは1匹しかいなかったです。本当に食べてるんでしょうかね。


Q トガリウミホタルでもウミホタルでも、両者のルシフェラーぜを取り込めるということは、免疫システムはどのようになってるのでしょうか?

A 続報をお待ちください。応援よろしくお願いします。


Q トガリウミホタルとキンメモドキの分布域は世界的に重なってるんでしょうか?

A 詳しくは知られていないですね。特にウミホタル類の分布が調べられた例は少ないです。


Q キンメモドキの餌選好性が気になるのですが、他の餌に比べてウミホタルを好むような様子は見られるのでしょうか?

A 普通のエビとかをあげる時よりもウミホタルをあげた時の方が興奮してたような気がしますが、僕の思い込みかもしれません。


Q トガリでないウミホタルのタンパクを盗む機構はなぜキンメモドキに維持されているのでしょうか?

A ウミホタルとトガリウミホタルのルシフェラーゼの配列は似ています。例えば抗体でもこの二つを区別せず反応します。なので、タンパク質の構造がある程度似ていたら効率は落ちるかもしれないですが、取り込めるのかもしれないですね。よその国のキンメモドキは、その地域に複数発光ウミホタル類がいて、それらをまとめて食べて、沢山いろいろなルシフェラーゼを取り込んでいるとか、妄想が膨らみますね。



Q ルシフェラーぜならどんな生物由来でも、なんでも拒絶反応が起きない仕組みがあるのでしょうか?

A 食べさせたことはないですが、多分取り込まれないと思います。普通に消化されるのではないでしょうか。


Q 普段食べないプランクトンのタンパクも盗む機構を持っているのが不思議でしょうがありません

A なんでもかんでも無闇に盗むわけではないので、大抵は消化して栄養にしてるのでしょう。


Q 今みたいに洗練された「盗タンパク」に進化してくる前の、中間的な状態はどんなんだったでしょうか?

A もともと、ウミホタルルシフェラーゼはかなり安定なタンパク質なので、それが盗タンパク質になる素質なのかもしれないですね。

 例えば垂れ流しでうんちが光ってるとか?それを制御すると自分の影が消せるようになる。とか?中間状態の推定は楽しいですが、実証するとなるとかなりむずいですよね。



Q 他の魚でもウミホタルルシフェリンで発光している種は同じ機構で発光していると考えられますか?

A ツマグロイシモチについてはそうだと思います。なので見つけたら是非連絡してください!お願いします。

  イサリビガマアンコウの発光器は消化管と繋がっていないので、多分独自のルシフェラーゼを持ってると思います。


Q 他の発光メカニズム(ホタルなど)でもルシフェラーゼを盗み発光している種は考えられますか?

A どうでしょうね。発光器が消化器官と繋がってるのがポイントなので、そう言う意味では、クラゲ類はあり得そうですが、クラゲは自分の発光タンパク質を持ってるんです。



Q 発光もして蛍光も発する動物はいますか?

A オワンクラゲとかサンゴ類とかの刺胞動物には多いですね。発光器にルシフェラーゼと蛍光タンパク質を持っていて、発光色をその場で変換します。ナチュラルなBRETですね。



Q 今回は実施しなくて良かったということになりますが、全ゲノム解読をするという戦略は取らなかったのでしょうか?(もしくはすでにやっている?)

A 研究当時は難易度が高くやりませんでしたが、今なら割と簡単にできそうですよね。科研費が当たればゲノム支援に出します。


Q キンメの細胞の中で、ルシフェラーゼとルシフェリンが別個に保存されてて、光る時に混ぜられる感じなのでしょうか? 常に混ざっていたり、細胞間でやりとりしたり、光る時に細胞外に出したりしてるのでしょうか?

A 全くわかっていません。続報をお待ちください。応援よろしくお願いします。


Q 発光器と相同な器官ってなんでしたっけ?発生過程でどこから分化してくる?

A 受精卵が取れたら発生の論文とかも書いてみます。全くわかってないですが、組織の構造的には、消化管から発生・分化してくると思います。


Q キンメモドキは成長の過程でいつ頃から発光するのでしょうか? 空想の話ですが、ウミホタルを食わないphase(稚魚?)では発光器官を発達させていなかったりするのでしょうか?

A どうでしょうね。卵が取れないので難しいですね。(1)ウミホタルを食べられる大きさになるまでは、発光器がないし光らないかもしれないし、(2)母親からルシフェリンとルシフェラーゼを与えられて、それを使い切るまでは発光することができるのかもしれないですね。


Q 貧栄養の状態だと取り込んでも光らない場合もあるのかと疑問に思いました。エネルギーに回されるなど…。他の盗みの場合を含めて。

A 光が届かず光合成できない環境にいる深海性放散虫の盗葉緑体は、エネルギーの貯蔵に使われているとかいないとか。。。 キンメモドキの発光は、野外から取れてすぐの時しか見れたことがないので、よくわかりません。ご機嫌を取るのが難しいです。



Q 腹と肛門という2か所に発光器がありますが、それぞれ独立して働くのでしょうか。ルシフェリンやルシフェラーゼの貯蔵器官もそれぞれ異なるのでしょうか。

A 同調しているように思いました。どちらも上方からの光に合わせるためなので、同じ神経制御を受けてると思います。

 ルシフェリンの貯蔵器官はそれぞれ別だと思います。もっとも幽門垂と腸管はくっついていますが。


Q 陸上でも盗みは起こってるんですか??(たとえば私たちも何か盗んでるんですか??)

A タンパク質についてはわかりません。皆さんこれから調べてください。どんどん引用してください。

 小分子については、そのまま取り込むと言うのは珍しくないですね。例えばビタミンとかの必須栄養素。毒蛇が蛍やカエルから毒を盗んでいますが、あれはステロイド系の小分子ですね。



Q 発表面白かったです!ありがとうございました。聞き逃したかもしれないですが、そもそもキンメモドキはいつ光るのですか?発光を促す刺激が何かあるのでしょうか?

A ありがとうございます。キンメモドキは薄暗がりの元で、上からの光でできてしまう影を消すようにお腹がわがぼんやり光ります。

 懐中電灯のオン・オフに呼応して発光したり消えたりしてました。(秒単位のラグはある)



Q ウミホタルをあまり胃から見つからないとのことですが、ウミホタルだけで与えて、生きていけるのでしょうか?

エネルギー源として消化するのと、発光のための所得するのを体内で区別できるんでしょうか"

A ウミホタルが十分量あれば生きていけると思います。ちなみにトガリウミホタルは激レアで、僕は3日かけて1mm程度の大きさのトガリウミホタルを12個体取りました。

本当に、キンメモドキはどこで食べているのか謎です。


Q 魚類の胃袋についてですが、純淡水魚のコイ科魚類等でも胃袋が黒いものがいます。淡水魚でも同じように胃が光らないように黒くなったと言えるのでしょうか。それならば胃袋が黒くなったのはかなり原始的な特徴と言えると思いますが。

A へー。面白いですね。胃袋というか、内腔膜が遮光性を獲得したのはかなり祖先で起きたのかもしれないですね。淡水魚でも胃の内容物を隠したがるのはなぜでしょうね。光が当たるから、色素や蛍光物質などがあれば、目立ってしまうからでしょうか。



Q ウミホタルを食べた生物を食べて、ルシフェリンなどを経由して得ている可能性はありますか?キンメ以外は酵素を消化してしまうでしょうか。

A ルシフェリンに関してはあり得るかと思います。実際、別のルシフェリン(セレンテラジン)は光らない生物からも沢山検出されており、間接的にルシフェリンを光る生物へ運んでいると言われています。一方で、ルシフェラーゼに関しては、やはり消化されてしまうので、キンメモドキが直接ウミホタルを食べる必要があるように思います。









閲覧数:210回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page